2021年12月24日

クリクラ・ポリクリ

ICU 実習を通して

 この度、特別臨床実習において熊本大学集中治療部でお世話になりました、熊本大学5年の柳沼泰河と申します。

今回の実習を通して感じた、熊本大学でのICU実習の魅力をお伝えできればと思いましてこのような機会をいただきました。3週間という実習としては長い期間でしたが、実際に始めてみるとあっという間に終わってしまったような気がしています。なにより、充実した3週間だったと感じております。

私がICU実習を選択した理由として、集中治療における全身管理の理解を深めたい、という思いがありました。もちろん、3週間では学び足りない部分も多かったですが、日々新たなことを学んでいけるという楽しさがありました。多くのことを学ばせてもらったのですが、その中でも特に実習の魅力として3つお伝えできればと思います。 

1つ目は「生理学を重視したレクチャー」です。

ICUでのレクチャーは一般的な一方通行のレクチャーではなく、まさに「考える」レクチャーであったと思います。指導医の先生が患者さんのベッドサイドに連れて行ってくださり、現在行われている治療についていくつか質問をします。知ってるか知らないかということではなく、単純な物理原則も利用しながら話してくださいます。誘導に乗りながら質問に答えていくだけで患者さんに行われている治療がいかに効率的で適切なのか、生理学をベースとして知ることができます。とてもわかりやすく、忘れにくい知識を身につけていくことができました。このレクチャーで幅広い生理学の知識を身につけていくことの重要性を学びました。 

2つ目は「患者さんが回復していく様子を見ることができる」ことです。

ポリクリでは新型コロナウイルスの影響で3日間しかICU実習をすることができず、十分に患者さんの経過を追うことができませんでした。しかし、今回の実習では3週間患者さんの経過を追うことができ、しっかり経過を追うことができました。特に印象的だったのは、1週目では意思疎通困難であった患者さんが、2週間目には見違えるほど回復し、意思疎通も可能になって実際に筆談できるようになった姿を直近に見ることができたことです。そのような姿を見て集中治療のやりがいを強く感じました。これは机上ではなく、実際に自分で経験してみないとわからないことだと感じました。

最後、3つ目は「自ら疑問を探し、自ら調べる」ことです。

この経験ができることがICU実習の1番の魅力だと思います。ICU実習では1日の終わりに夜勤の医師のみなさんに日中の担当患者さんの状態やその日に行われた治療を申し送りする機会がありました。その場で十分なプレゼンするためにはカルテを眺めるだけでなく、実際に担当患者さんのベッドサイドへ行き、自ら疑問を探していかなければなりません。疑問を持つためには医学的な知識だけでなく、変化に気付くための観察力が必要だと感じました。また、疑問に思ったことをすぐに誰かに聞くのではなく、自分自身がどのようにアセスメントし、どうしていく必要があると考えた上で質問するということを心がけていました。そのためのデータの見方も学ぶことができました。1日の終わりには体力的には疲れてはいましたが、なんともいえない充実感がありました。

今回の実習での経験は非常に貴重なものだったと思います。今後の実習、卒後の初期研修につなげていきたいです。

最後にはなりましたが、私が充実した実習を送ることができたのは、まだまだ未熟で稚拙な質問にも、丁寧にわかりやすく答えてくださった熊本大学集中治療部の先生方のおかげでございます。この場をお借りして感謝の気持ちを述べたいと思います。本当にありがとうございました。

これからさらに精進していき少しでも立派になった姿をお見せできていければと思っております。

 

熊本大学 医学部医学科 5年 柳沼泰河

 

  

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